序章〜夢の章〜



いつの頃だったのだろう・・

どっか行きたいなぁ・・
ねぇ・・エステのついた温泉いこうか・・美味しいもの食べて・・・
うん・・行きたいなぁ・・・・・
いつか・・いこうなぁ・・・そんな話しを かこと・・し始めたのは・・

あの頃の私は受験生の母真っ只中で・・
心の中でしか・・夢を楽しめなかった・・
春になったらね・・そう返事しながらぼんやりと・・青写真描いてた・・










第一章 〜温もりの章〜

車に積み込んだものは・・
一泊二日の荷物といっしょに・・・
履いていくミュールのほかに黒色のサンダルと・・スニーカー
雨傘と・・パラソル・・冷房で冷えぬようにと・・ひざ掛けもいれて・・
車ならではの・・・予備モノも積み込み 前日には・・ガソリン満タン・・・
ココロも車も・・余裕いっぱいの・・出発・・

家をでて 岡山・早島インターにのるまで・・約20分・・
今思えば・・前兆があった・・
走っているとボンネットから 薄い水蒸気が見えた・・
エアコンを入れていたので
外気との差・・なんて・・訳わからない理由をつけて
いつもの前向き・・のほほんTammyさんは深く考えずにインターに突入していった・・

お天気は晴れ・・
瀬戸の海は少し霞んでいるものの・・・海の青がとても綺麗だった・・
瀬戸大橋に乗ってしまうと あっという間に四国の町並みがぼんやりと浮かんでくる
瀬戸大橋・・・・でだしは・・OK♪
が・・・
なにか変・・・
橋の途中から・・・
車の中のサザンの曲といっしょに聞えてくる何かの音・・
アクセル踏む度に・・・いつもと違う・・・カタカタと言う音・・・
なになに・・??? ひとりでこの恐怖と戦うのはちと怖い・・・??
恐怖は・・ダンナとごいっしょに・・と思っって電話して状況説明・・・
「ねぇ・・アクセル踏む度音がする・・・ぅ・・」
「はぁ??? じゃぁ・・橋降りてから ガソリンスタンドでも寄れぇ・・!」と冷静に言われてガチャンと切られてしまった・・
「もぉ・・!」
こういうときって・・大丈夫じゃなくてもだいじょうぶだよ・・って言葉が欲しいんだよ・・
ったくぅ・わからずやぁ!・・
四国の街の風景が大きくなってくるのと比例して
音はどんどん大きくなる・・
うそぉ・・・
動揺する気持ちを押さえていたつもりだったけれど・・
本来は「高松中央」まで行くはずだったのが間違って「坂出」インターで降りてしまう・・
後になって思うが・・ここで降りて良かった・・・いや・・降ろして下さったのはお導きか・・?
インターの降り口でスピードを緩めると・・なにか・・ちがう・・
動きが違う・・・
ようやく料金所のところまで来た時・・
ボンネットから吹き上がる煙・・・・嘘ぉ・・・・・・・・・・・・
料金所では私の前に一台・・料金お支払い中・・
その後ろで待っていたものの・・・もう前にはいけない・・
エンジンをきって 料金を支払う場所より一台後退したところで・・オーバーヒート・・・
あまりの煙に・・・
「わぁぁ・どうしたらいいですかぁ・・??」窓から首だし・・おじさん向かって叫んでしまう・・・
「エンジンきって〜〜ちょっとまってやぁ・・・」
幸いにも・・お支払い場所は二ヶ所・・
私の後ろに来た車には料金所のおじさんが大声で叫んでる・・
「故障中〜〜あっちまわって〜〜」
普通の時ならきっと恥ずかしい・・のかもしれないけれど・でも・・ハズカシイも思う余裕なく
通りすぎていく車は・・目に入らない・・・
目の前に起る出来事を さぁ・・どうしようと・・分析してる私がいる・・
エンジンを切ると 煙はおさまったが・・・身動きとれず・・・

電話で おじさんすかさず 応援部隊を呼んでくれる・・・
料金所横の事務所から4人ほど駆けつけて下さって・・
「後ろから押すからなぁ〜〜ハンドル切ってやぁ〜〜右右・・」
安全な場所まで移動させてくださった・・
家を出て・・約1時間弱・・・ここで・・私の4WDの旅は終わりを告げた・・・(x_x;)シュン

ちょうどその時かこからメール
「西宮で事故渋滞やぁ( ;_;)」
こっちは渋滞どころちゃうぅ・・・・・・・・・・・・・・・(>_<)

道路公団のおじさん達・・ボンネットを開けてくれて
ここがどうやあ〜やとみんなで御話し中・・
そそっと・・その場をちょっと離れて・・・即電話・・・

「かこぉ〜〜〜〜〜・・・(;_;)ヴヴヴ・・・・・・・・四国には渡った・・・・・・(ノ_<。)ビェェン・・・・・」

おじさんたち・・の原因を探るお話が一段落し私に説明して下さる・・
「たぶん・・ここやなぁ・・ちょっと白くなってるやろ・・・」
「はいっ・・・」と聞きながら・・ここがどこやねん・・??と思えるほどの無知・・・・--;

「誰か知った人はいる・・?」
広島ナンバーのうちの車を見て・・訪ねて下さる・・
「いいえ・・四国にはだれも・・・」
「じゃぁ・・JAFでも呼ぶか・・?」
「はいっ・・・」
自分でこれ以上進めなくなったとき 人の道標はとてもありがたい・・
真っ黒な道を歩いていてぽつんぽつんと灯りが灯っているようで・・
灯りにともされる道を歩いていく・・
JAFへ電話する・・・
「場所はどこですかぁ・???」
「(場所・?ここはどこやねん・・?)・・場所ぉ・・???」
電話をする時も傍に付き添ってて下さった公団の方が電話を変わりましょう・・っと・・変わって説明して下さる・・
感謝・・・
40分でいきますから・・
そう言われて・・・公団の方から・・JAFの方へと・・・
私とテラノの運命をゆだねる相手をバトンタッチ。

風が気持ちよかった・・
暑くもなく・・冷たくもなく・・気持ち良い風・・
JAFを待つ間・・ずっとそれを感じていた・・・
インターチェンジでJAFを待つ我が・・テラ子・・(T.T)・・・
私はこれからどうすればいいんだろう・・
今思うと・・突然のアクシデントに戸惑っていたけれど
たおれ伏してはいなかった・・

JAFがきて・・ここでもし直ったら・・また走っていける
だめだったら・・・ディラーの日産へ運んでもらおう・・
この時点で考えられるのはふたつだった・・

幾度となく 見えた先まで かこに途切れ途切れ電話報告・・・
「今・・JAFがきてくれはったぁ・・また連絡する・・・・ぅ・・・」
どんどん四国へ近づいて来てる彼女を感じながら身動きできない自分がどうしようもなく辛くもあったが・・・
今 進める道まで進もう・・それだけを考えていた・・

JAFのお兄さんと助手のような若いお兄さん・・・
水を入れると・・ある場所から・・・ジャァーーーー・・・
「ここやね・・」道路公団の方と同じ場所を 指摘・・・
ラジエターからのパイプに穴が空いていて そこから水が漏れると言う事だった・・・

「ここでは直らないから日産さんへ運びましょうかぁ・・」
「にっさんさん・・?(*^.^*)」
思わず笑ってしまった・・・
ここでJAFのお兄さんと・・何かが流れ・・いっしょに笑ってしまう・・
返事はひとつ・・
「お願いします・・・」と言うしかない・・・

ここで道分岐・・・
ここでは直らなかった・・
次に進む道は 日産さんへ・・
こんな風に引っ張るんだぁ〜と・・感心して見ていたよ・・^^;
かくして・・愛車テラノはJAFさんに引っ張られていく事に・・
「わたしはどうしたらいいんでしょうか・・?」
「(JAFの車の)助手席へどうぞ・・若いモンをテラノの方へ乗せますので・・・」
そう言っていただいて 私ははじめてJAFの車に乗せてもらった・・
後ろには運転席を上げて引っ張られる車の中にJAFの若いお兄さん・・・
ごめんなさい・・
そう思いながら・・はじめて通る街・・「坂出」の町並みを助手席から眺めてた・・
車の中ではJAFお兄さんとお話・・
今回のこの穴の空いた場所がどうしてそうなるとか・・・
今 旅は始まったばかりで今日・・鳴門へむかうとか・・
どうしよう・・・とか・とりとめもない話しをしながら・・約・・5kほど走って 日産へ到着する・・

「日産は土日開いているから もし部品があったらなんとかなりますよ・・」
JAFのお兄さんのその言葉に くもの糸にもすがる思いでいた・・

が・・・
案の定・・・部品は取り寄せないといけないとの事・・
「そうやねぇ・・二日ほどかかるかなぁ・・」
が・・・がん・・・がぁ・・・ん・・・と・・道は閉ざされる・
小声で・・「私旅行者なんですけどぉ・・・」とは言ってみるものの・・
そんなこと言ってもどうしようもない事・・一番私がわかってる

「わかりました・・よろしくお願いします・・」
そう口で言ってみたものの・・・
ここから・・どうしたらいいんやぁ・・・ぁ・・・・??

「かこぉ・・・・二日かかるって・・・」
「わかったぁ〜〜〜!! じゃぁ・・わたしどうすればいぃい???」
電話のムコウから聞えてくる彼女の声
わかったぁ・・と受止めてくれる声・・救われる・・

さてと・・考えていた道はみんな塞がれた・・
ここからどうすればいい・・?
日産の方に この場所はどこなのか・・
駅までどれぐらいかかるのか・・
もつれた糸を解くようにひとつひとつ聞いて 自分で自分を立て直す

代車をお借りして 鳴門に向おうとも思い・・
お願いすると いっぱいいっぱいの代車スケジュールの中から
無理をも利かせて下さって その車をそうじして下さっていたが・・
かこが 近づいて来てくれるという連絡をもらい その話しもありがたくお断りをする
この時点で かこは高速に乗って高松方面へ向って来てくれている
私はここから 最寄りの駅に向い 高松まで電車でいく事になった
今朝 予備モノいっぱいいっぱい積み込んだ荷物の中から
必要なモノを取り出し・・両手に抱える
傘・・置いていこう・・
パラソル・・持っていこう・・・
なんだか それを選ぶ自分が 残される予備モノと別れの言葉を交わしているよう・・
お願いをして日産を出ようとした時
日産の方が「駅まで送っていきましょう・・」と優しいお言葉・・・
「一番近い駅は 各駅しか停まらないから・・」と言って 一つムコウの坂出の駅まで送って下さった
「歩くと遠いんですよぉ・・」と・・運転しながら話して下さる・・
のんびりとした町並みを見ながら 人の温もりをいっぱいっぱい感じる
駅前に到着・・
指を差しながら 「あそこから・・駅舎ですから・・・」
深深と・・お礼を申し上げなんだか温かなキモチいっぱいで
道路公団・JAF・日産の方達に支えられながら
私は坂出の駅に立っていた・・
ちろん・・初めての街 坂出・・みんな優しい人ばかり・・

「高松」・・・間違えない様に・・間違えない様に・・
切符を手にして 11時36分 坂出発の電車に乗る
高松にはいった事が無い
これも初めての沿線で 初めての街・・

電車の中にかこから電話・・
「高松まであと7k〜」
「私も電車に乗ったぁ・・」

普通なら・・・何事もなければ・・・10時半〜11時ごろ鳴門で会えるはずだった・・・
かこには 鳴門から50kもこちらに走らせ 迎えにまで来てもらう事になった・・

あと二駅ぐらいのところで 「高松駅についたよ〜」とかこから電話・・
「わたしももうちょっとぉ〜・・・」

12時・・・ようやく高松到着・・・
高松駅
あぁ・・・会いたい・・会いたい・・
朝家を出てから何があったか・・・もう夢の中の出来事の様・・・
駅舎を出て 「ついたぁ〜〜〜」「どこぉ・・??」「何が見えるぅ・・?」「ANAのホテル〜〜〜」
「・・・Tammyみつけたぁ〜〜!」
先にかこが私を見つけてくれた・・・

あぁ・・・・・・・会えたぁ・・・・(ノ_<。)・・・・

会えたぁ・・会えたぁ・・
あまりにも色んな事がありすぎて かこの顔を見るなり力が抜けていきそうだった・・・・

「お腹すいたぁ〜〜〜!おうどん食べよぉ〜!!」
彼女はそういって 出足躓いた私をかばうかのように
ひとりでここまで走って迎えに来てくれた労力が何もなかったかのように・・・
この女ふたり旅のスタートボタンを押してくれる・・
この・・ポイントきり代えがとても有り難い・・・

さぁ・・・と・・本で見つけた「おうどんやさん」をカーナビに入れ
いざ出陣・・・となったが・・なかなか上手くカーナビ作動せず
あっちまわってこっちまわって・・・
「あん?Tammy乗ってから・・カーナビまで変やで・・」
「いやん・・・やっぱしぃ・・(*^.^*)ぷぷぷ♪」

見つけたおうどんやさん「うどん市場」
高松市天神前11-18「うどん市場天神前本店」
岡山のセルフうどんも 讃岐うどんの流れを汲んでいるのか
天ぷらモノやおにぎり等・・同じようなお店はあるものの・・・
やっぱり本場は違う・・麺がしこしこ・・・
何を選ぼうか・・目がキョロキョロ・・・
結局無難な「ぶっかけうどんの熱」と天ぷらモノ二品・・でもこのお値段が・・全部で\350
ちなみにかこちゃん・・ぶっかけ冷やと天ぷら二品で¥340

次々にお店の前に置かれていく自転車・・
入ってくる人・・人・・
女子高校生達も「うどん大とぉ・・・(大は二玉)」なんて・・・・まるで都会っこのファーストフード
これだけ安くて美味しかったら あたりまえだよね・・

さぁてと・・どうする・・?
本当なら 鳴門で11時前におちあい 1時50分をさかい前後一時間に見られる鳴門の渦を見る予定だった・・
今から鳴門までまだ頑張って戻れば・・まだ・・間に合う・・?!
ってことで・・
腹ごしらえした私達女のふたり旅・・あらためてスタート・・・
さぬき三木〜鳴門へ・・向う・・
かこが鳴門から高松まで走って来てくれた道・・
その道をまた戻る・・・
Tammy「ここ・・私がテラノで走るはずやったんやんなぁ・・」
kako「そうやでぇ・・・」
突然に現れた・・海に・・
Tammy「わっ・・・海〜〜♪」と・・喜んだが
kako「私はずっとこの海みながら お迎えにあがったんや!!」
と・・言われ(x_x;)シュン・・・

。。。(*^.^*)ぷぷぷ♪ ごめん・・・・・・





≫続く